エンジニアとして技術を磨き続けた人が管理職を目指すにあたって、新たに求められるスキルや資質は多岐にわたる。技術力だけではなく、チームをまとめる力やビジネス全体を見る視野が必要になってくる。
確実に必要なのは、コミュニケーション能力である。エンジニア時代は自分の仕事に集中することが多かったかもしれないが、管理職になるとチームメンバーとの意思疎通が重要だ。相手の意見を尊重しつつ、自分の考えを分かりやすく伝えるスキルが求められる。
プロジェクト管理能力も不可欠だ。プロジェクトの進捗を把握し、スケジュールや予算の管理を行うことが日常業務になる。問題が発生した際には迅速に対応し、最適な解決策を見つける力も求められる。また、リーダーシップは管理職にとって欠かせない資質である。リーダーシップとは単に指示を出すことではなく、チームメンバーの力を最大限に引き出し、目標達成に向けて導くことだ。信頼を得るためには、自らが模範を示すことが重要だ。
ビジネス全体を見る視野を持つことも求められる。エンジニアとしては技術的な面に目が行きがちだが、管理職としては会社全体の利益や戦略にも関心を持つ必要がある。技術とビジネスの橋渡し役として、両方の視点を持つことが欠かせない。そして、柔軟性も必要だといえる。技術の進歩や市場の変化に柔軟に対応し、常に新しい情報をキャッチアップする姿勢が大切である。技術一辺倒ではなく、常に全体を見渡し、変化に対応できる柔軟な思考が求められる。
これらのスキルや資質を身につけることで、エンジニアから管理職へのステップアップが現実味を帯びてくるであろう。管理職を目指すエンジニアは、これらの視点を意識しながら日々の業務に取り組んでいってほしい。